現在位置: ホーム ニュース 研究ハイライト "First-Principles Study of Ion Diffusion in Perovskite Solar Cell Sensitizers,"

"First-Principles Study of Ion Diffusion in Perovskite Solar Cell Sensitizers,"

作者: 下敷領 恵美 — 最終変更 2015年09月11日 16時05分
J. Haruyama, K. Sodeyama, Y. Tateyama et al., J. Am. Chem. Soc. 137,10048-10051 (2015)
本研究では、第一原理計算と反応経路の探索手法を組み合わせることで、ペロブスカイト材料内で、陽イオン分子が空孔を媒介として容易に拡散し、移動しうることを世界で初めて証明しました。この陽イオン分子の移動は大きな構造の歪みをもたらすことから、速い劣化や変換効率のヒステリシスの原因の一つとなっていると考えられます。さらに、これらの結果から、空孔密度の減少やイオンサイズの制御が劣化の抑制に有効であることが示されました。この知見は、ペロブスカイト太陽電池の劣化やヒステリシスの改善に関する最近の実験研究の結果を原子レベルの機構から明らかにするものです。
(CMSI週刊ニュースvol.73(9.11.2015)に掲載)