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第3部会: 分子機能と物質変換

作者: admin — 最終変更 2013年10月03日 00時32分

代表者: 岡崎進(名古屋大)

多様性に富む分子によって形成され、興味深い振る舞いや有用な機能を持つ物質の多くはナノスケールの分子であり、また、分子間の変幻自在な相互作用に基づいて一定の秩序を形成している分子集団である。分子機能は、分子および分子集団の構造とそれと相関する電子状態に基づいて発現されるが、分子系で形成されている秩序は弱いものであり、構造そのものが熱運動により大きく変化し、熱ゆらぎは機能発現に重要な役割を果たしている。

したがって、強固な構造を持つ金属や半導体結晶では物質の静的な記述が研究の中心となっているのに対し、分子機能を理解するためには、熱ゆらぎによって時々刻々変化する柔らかい物質のあるがままの姿をとらえ、躍動感あふれる真の物質像、新しい物質観を確立していくことが不可欠となる。

このため、本部会においては、第1部会における電子状態の高精度計算に基づいた分子間相互作用の評価、多体性に起因する動的過程の理解、そして凝縮系におけるゆらぎの理解等を源流とし、これをナノスケール分子や分子集団系における構造形成と機能発現・機能制御の奔流へと展開する。

このような流れに沿って、課題の選定にあたっては、従来の比較的小さな分子単体からナノスケールの分子・分子集団系の機能の理論・計算化学研究への飛躍を最も重要な要素として位置付けた。その中でも特に社会的な要請が高く、問題の解決が強く望まれている自己組織化により形成されたナノスケールの分子や分子集団の構造に基づいて創生される機能、つまり分子や分子集団による分子認識、物質分離、分子輸送等の分子機能を重要課題とし、また環境との変化に富んだ相互作用下での分子の電子状態とそれに基づく機能発現を重要な研究対象とした。

  1. 重点課題1:全原子シミュレーションによるウイルスの分子科学の展開
  2. サブ課題1:拡張アンサンブル法による生体分子の高次構造と機能の解明
  3. サブ課題2:ポリモルフから生起する分子集団機能
  4. サブ課題3:ナノ・生体系の反応制御と化学反応ダイナミックス
  5. サブ課題4:機能性分子設計-光機能分子と非線形外場応答分子の光物性

これらの研究において、計算対象は必然的に従来の分子単体から分子集団となる。このため、次世代スーパーコンピュータのような高速で比類のない処理能力を有するスーパーコンピュータの利用は不可欠であり、本部会においては特に中核アプリ開発者2グループを選定し、次世代スーパーコンピュータの能力を極限まで利用し研究を遂行する。

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