"First-Principles Study of the Honeycomb-Lattice Iridates Na2IrO3 in the Presence of Strong Spin-Orbit Interaction and Electron Correlations"
作者: 下敷領 恵美
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2015年01月09日 14時24分
Y. Yamaji, Y. Nomura, M. Kurita,R. Arita, and M. Imada, Phys. Rev. Lett. 113, 107201 (2014)
量子コンピュータの基礎として注目を集めているエニオンと呼ばれる準粒子は、従来、強磁場下の高移動度半導体界面で生じる分数量子ホール状態において研究されてきた。2005年のA. Kitaevによるエニオン励起を示す可解模型の提案と、イリジウム酸化物がKitaevの模型を実現するという2009年のJackeliとKhaliullinの理論予測が契機となり、固体中でのエニオン粒子出現の可能性が注目を集めた。しかし現在、理論的に予言されたイリジウム酸化物Na2IrO3が理論予測とは異なる磁気秩序を示すことがわかり、Kitaevの模型実現へ向けた研究が続いている。本研究では、第一原理電子状態計算にもとづくNa2IrO3の数値的研究を行い、実験で観測されたNa2IrO3の磁気秩序および比熱と帯磁率の温度依存性を再現することに成功した。さらに、Na2IrO3の性質がKitaevの模型と近いことが明らかとなり、Kitaevの模型実現へ向けた理論的物質設計指針を与えることが可能となった。
http://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevLett.113.107201
（CMSI週刊ニュースvol.27(10.17.2014)に掲載）
