現在位置: ホーム ニュース 研究ハイライト "Computational self-assembly of a one-component icosahedral quasicrystal."

"Computational self-assembly of a one-component icosahedral quasicrystal."

作者: 下敷領 恵美 — 最終変更 2015年06月19日 10時36分
M. Engel et al., Nat Mater 14, 109–116 (2015).

液体論やガラス理論の世界では、等方的な相互作用を持つ分子は単純液体と呼ばれ、分子性液体や水素結合性液体と対比される、単純な系だとみなされる。しかし、近年ではLennard-Jones-GaussianモデルやJaglaモデルのように、相互作用関数の形いかんでは、等方的相互作用を持っていても多様で複雑な結晶構造や液液転移が生じうることが発見され、単純液体はもっと限定された概念であると考えられる。では、等方的なポテンシャルで、どこまで複雑な(=単位格子が巨大な)結晶構造を作れるのだろうか。EngelらはGPUを用いた大規模シミュレーションにより、等方的な相互作用を持つ粒子でも、準結晶(=単位格子が無限に大きい結晶)を作りうることを初めて示した。

http://dx.doi.org/10.1038/nmat4152

(CMSI週刊ニュースvol.61(6.19.2015)に掲載)