モデリング支援
CMSIでは、スーパーコンピューターを利用した物質科学の研究・普及を進めています。スーパーコンピューターで計算した結果は、主に描画ソフトなどを使い3次元データを2次元のモニター画面や紙面上に表現しています。しかし、複雑な結晶構造や分子構造、相転移などによる結晶構造の違いを理解するには難しい場合があります。例えば、二次元画面上では近くに見える原子も実際は表と裏と大きく離れている時もあります。特に、原子自体100個以上あるような結晶では、専門家といえども見落とす時があります。3次元模型を手に取ってみることができれば、容易に結晶構造を理解できることが期待されます。そこで、CMSIでは、結晶構造などの座標データをもとに3次元結晶模型のモデリングするシステムを導入し、研究・教育などに役立てるサービスの試用運転を始めました。VESTA等のソフトを使い結晶構造の3次元データを取得し、MakerBot Replicator 2Xにて3Dプリントを行います。
3Dプリンター
2. 制作 キャンペーン中につき試作費用は無料
制作するにあたり、最初にVESTAにて結晶構造の3Dデータファイルを作ります。次にCGソフトにて数回ファイル変換後、Gコードを生成・3Dプリントします。
ユーザーから3Dプリント依頼される際は、VESTA形式ファイルまたは、原子座標、ユニットセル、対称性が分かるようなテキストファイルにてご送付の上ご相談ください。CMSI研究課題採択者のみの受付です。
進行中の課題(複数の大学と共同開発)
1.水分子の集合体である水の液体の振動模型、固体の結晶成長模型の開発を行っております。
2.Nd-Fe-B/Nd/ Nd-Fe-Bの界面構造のモデリングを行っております。
3. 問い合わせ先
CMSI 計算物質科学研究センター 担当山崎まで(yamazaki@issp.u-tokyo.ac.jp)
4.最近の制作例
ネオジウム磁石 Nd2Fe14B の結晶構造。結晶構造が複雑なためBoundary(Ranges of fractional coodinates)をずらしてプリントしました
フラーレンとその分割した結晶構造 C60, C36, C24
バナジウム系酸化物の結晶構造 V2O3
鉄系超伝導体の結晶構造 LaFeAs
トポロジカル絶縁体の結晶構造