第1回RSC-CMSI合同セミナー マルチスケール構造科学を拓く
【開催要項】
日時: 2012年9月15日(土)13:00 - 16:50
会場: 理化学研究所 播磨研究所 SACLA実験研究棟 2階 大会議室
主催: (独)理化学研究所 播磨研究所 放射光科学総合研究センター(RSC)および
計算物質科学イニシアティブ(CMSI) (文部科学省HPCI戦略プログラム分野2「新物質・エネルギー創成」)
【概要】
電子のプローブである放射光は、物質中の機能を担う電子の分布を可視化できることから、機能のプローブであるとも言える。X線自由電子レーザー「SACLA」の登場は、構造と機能の相関を明らかにする構造物性の研究を大きく転換しようとしている。これまで、SPring-8は、構造物性の研究を従来の周期系物質である結晶材料の構造解析の高度化として、電子分布マッピングやポテンシャルイメージングなどにより機能可視化への構造科学として展開してきた。しかし、SACLAはコヒーレンスという特性が加わることで、構造科学に革新をもたらす。それは、これまで未踏であった階層構造を持つ物質のマルチスケールでの機能可視化である。物質科学における身近な例では、高分子材料や相変化材料などの非周期系が考えられる。しかし、このマルチスケール構造科学を機能可視化にまで到達できるものにするためには、従来の構造可視化、XFELの先端計測、データマネージメント、大規模シミュレーションの間での技術開発の有機的な協奏が必要不可欠である。
その起点とするべく、スーパーコンピュータ「京」とSACLAのコヒーレントX線の利活用を視野に入れた「マルチスケール構造科学を拓く高エネルギー光科学と計算科学の戦略的協奏」をテーマに、CMSIとの共催で、第1回RSC-CMSI合同セミナーを企画した。本セミナーでは、周期系・非周期系それぞれの分野で放射光科学と計算科学の融合を図っている研究者に講演を行っていただき、マルチスケール構造科学の展開を具体化するための、SPring-8/SACLA/京の大型研究施設の協奏的な利活用と協奏的共同研究の方向性について議論を行う。
【プログラム】
座長:加藤 健一(RSC)
13:00~13:05 開会の辞:石川 哲也 (RSCセンター長)
13:05~13:15 高田 昌樹(RSC)
「マルチスケール構造科学の展開に向けて」
13:15~13:40 常行 真司(CMSI, 東大)
「大規模計算による計算物質科学の現状と未来」
13:40~14:05 小原 真司(JASRI/SPring-8)
「逆モンテカルロ法とDFT計算を駆使したナノスケール相変化現象の機構可視化」
14:05~14:30 西堀 英治(名大)
「周期系への遺伝的アルゴリズム/MEMの適用による未知構造と機能の可視化」
14:30~14:50 休憩座長:三宅 隆(CMSI, 産総研)
14:50~15:15 岸本 浩通(住友ゴム工業(株))
「USAXSデータに基づく大規模シミュレーションによる低燃費タイヤの設計開発」
15:15~15:40 乗添 祐樹(JST/ERATO)
「ポリマーブラシ2次元ミクロ構造のモンテカルロシミュレーション」
15:40~16:05 城地 保昌(JASRI/XFEL)
「SACLAとHPCの融合による生体超分子イメージング」
16:05~16:45 福山 秀敏(東京理科大)
「課題解決型研究における大型研究施設の役割」
16:45~16:50 閉会の辞:高田 昌樹 RSC副センター長
17:00~17:50 SACLA見学ツアー
18:00~19:30 懇親会(SPring-8特別食堂, 会費:3,000円)
【お問い合わせ】
CMSI 事務局
email: adm-office@cms-initiative.jp
TEL: 04-7136-3279