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液晶の秩序構造形成の連続体シミュレーション

作者: 三浦 淳子 — 最終変更 2015年07月24日 14時33分

講師:
福田 順一 主任研究員
(産業技術総合研究所 ナノシステム研究部門 ソフトマターモデリンググループ)

アブストラクト:
液晶はソフトマターの興味深い例の1つであり,現在のディスプレイ技術の根幹をなしていることは良く知られている.のみならず,回転対称性/並進対称性の破れに基づく様々な秩序相を形成すること,それらの相が位相欠陥を示す(その多くは実空間で観察可能である)ことなどから,液晶は物性物理学の重要な研究主題の1つでもある.本講演では,回転対称性の破れに基づく配向秩序のみを有する液晶に着目して,配向秩序を連続な秩序変数で取り扱う連続体理論と,配向秩序がなす位相欠陥の基礎について紹介する.また,講演者の最近の研究成果の1つである,鏡映対称性が欠如した液晶(キラル液晶)が自発的にねじれた配向状態をとることによる秩序構造形成,特に平行平板間の狭い空間に液晶を閉じ込めた際に,液晶と基板との間の相互作用(アンカリング)とバルクにおける秩序形成との間のフラストレーションの結果として生じる様々な秩序構造の探索について述べる.