現在位置: ホーム 研究活動 5つの戦略課題 第2部会:次世代先端デバイス科学 サブ課題1:ナノ構造の電子状態から機械的性質までのマルチスケールシミュレーション

サブ課題1:ナノ構造の電子状態から機械的性質までのマルチスケールシミュレーション

作者: admin — 最終変更 2013年10月03日 00時54分
ナノ構造の電子状態から機械的性質までのマルチスケールシミュレーション

[担当者] 名古屋工業大:尾形修司、大阪大:尾方成信、名古屋工業大:田村友幸

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[課題内容・背景・重要性] 実際の構造材料や種機能材料では、結晶構造に加えて、様々な欠陥・析出相・粒界・界面など、ナノ・メゾスケールの微細構造や材料組織が性質や機能を大きく支配している。また蓄電池・触媒系では、様々な表面・界面でのナノやメゾスケールの反応や物質移動が機能発現の鍵となっている。こうした系や現象を扱うには、空間的なマルチスケール手法が不可欠である。さらに、材料の破壊・腐食・拡散・組織発展など、時間的にもマルチスケールに渡る現象を解析する手法の開発が必要である。

[計算手法] 実空間密度汎関数法、divide-&-conquer型のオーダーN実空間密度汎関数法、高速マルチレプリカ分子動力学法、Nudged Elastic Band法、Multi Walker Meta-dynamics法等を用いる。

fig2-4.png[次世代スパコンの必要性・実現可能性] 実空間密度汎関数法と古典分子動力学法とのハイブリッド化コードは、MPI並列化を含め、その高度化・実用化が進んでいる。また、粗視化手法と古典分子動力学法とのハイブリッド化コードも作成されている。今後は、マルチコア・アーキテクチャに対応したMPI + OpenMP並列の最適化を視野に入れる必要がある。

[具体的な成果目標] 密度汎関数理論による第一原理計算と、経験的原子間ポテンシャルを用いる古典動力学計算あるいは粗視化計算を、ハイブリッド化する空間的マルチスケール手法により、サブマイクロあるいはマイクロメートル規模のナノ構造体を次世代スパコンで解析可能とする高速計算技法を確立する。それによりナノ構造デバイスの原子・電子構造から耐久性を含めた機械的性質を明らかにする。さらにマイクロ秒から秒オーダーの長時間スケールの解析を可能とする時間的なマルチスケール手法を開発し、空間的マルチスケール手法と組み合わせることで、次々世代デバイスシミュレータ技術の基盤を構築する。