現在位置: ホーム 研究活動 5つの戦略課題 第2部会:次世代先端デバイス科学 サブ課題4:新材料探索

サブ課題4:新材料探索

作者: admin — 最終変更 2013年10月03日 00時59分
新材料探索

[担当者] 東京大:常行真司、鳥取大:吉本芳英、京都大:田中 功、産総研:石橋章司、土田英二 北陸先端大:前園 涼

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[課題内容・背景・重要性] 2020年代前半にシリコンCMOS技術の限界が予測される中、新しい機能や優れた特性を持つポストシリコン材料が求められている。量子現象に関する基礎研究から生まれた数々の知見を生かし、新しい半導体特性、磁気特性、超伝導特性を持つ物質・材料を、計算科学的手法を用いて探索すること、またその方法論の開発は、革新的な次世代先端デバイスにむけた重要課題である。第1部会の研究グループと連携して、密度汎関数法およびそれを超える高精度物質機能シミュレーション技法を確立し、次世代電子デバイスのブレークスルーを引き起こす新奇物質群を探索する。またデバイスとしての実現可能性を念頭に置き、化合物の自由エネルギー計算を実現することで、ものづくりプロセスにも踏み込んだ研究を目指す

[計算手法]  密度汎関数法[TAPP、QMAS、FEMTECK]、Transcorrelated法[TC++]、拡散量子モンテカルロ法[CASINO]、構造探索や温度圧力相図の作成を可能にする拡張アンサンブル法などを用いる。

fig2-8.png[次世代スパコンの必要性・実現可能性] TAPP、QMASはすでに多くのプラットフォーム上で使われており、超並列アーキテクチャ上で実行する際の問題点であるFFTも、計算機分野との共同で改善が進んでいる。有限要素法を用いるFEMTECKは超並列計算機に適したプログラムであり、4096並列までの動作を検証済みである。TC++は密度汎関数法に比べて計算量が大きく、並列性の高い手法である。CASINOはすでに超並列計算機での稼働実績がある。構造探索や相図の作成はこれらとの多重並列化が可能であり、個別ノードのマシントラブルにあまり影響されることなく、次世代スーパーコンピュータを有効利用することができる。

fig2-9.png[具体的な成果目標]  短期的には分子性半導体・磁性体の電子物性と構造計算、酸化物系の欠陥制御、化合物の界面構造と電子・格子系の物性計算、典型的な化合物相図の理論決定を目指す一方、長期的には電子相関の強い遷移金属酸化物の材料探査、DNAやアミノ酸のような生体物質由来のデバイス材料の提案を視野に入れる。